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風は一向に収まる気配なく朝を迎えました。5時半起床予定ですが、あまりの強風の為にお互いに様子をみてるのか、声を掛けません。僕はこのまま林道で下山する事も頭を過ぎりました。
六時。やっとの思いで行動を開始する事に。寒さと強風で寝袋・テントのファスナーを降ろすのも躊躇われました。気温は恐らく-10度以下だと思います(温度計必要ですね。温度が知りたい!)。併せてこの強風。体感温度はそれ以上に感じました。こんな寒いのは初めてでした。というか初めての雪山泊なのではじめてで当たり前でした。画像1
写真では穏やかに見えます。
寒さと風とで撤収作業も思うようにいきません。何とか片付け、水場へ。IMG_1561
昨日、耳を澄まして野生の感を頼りにピッケルで雪を掘り起し探し出した貴重な水場です。有難く感謝し頂きます。
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8時10分、風は強いが良い天気なので先に進むことに。まずは今回の最高峰 黒岳を目指します。昨日と同様でトレースはありません。山頂に行くにつれて積雪は深くなっていきます。昨日のガンガハラよりさらに雪深く距離も長い。腰まである積雪で5メール進んでは足が上がらずに立ち止まり、一歩一歩蹴り込んで進みました。このような時はきっとスノーシューやワカンで歩けば楽しいハイクが楽しめるのかな~と思いました。
前日もそうでしたが雪で進むべき道の判断が難く迷うことが今回は何度もありました。山と高原のアプリで現在地を確認したり、地図で確認したり、目印(赤テープ)を目を凝らし探したり時には来た道を引き返したり。無積雪期ではない山の難しさを感じました。
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2時間20分かけ黒岳の稜線にでました。やっと辛い登りは終わったのですが、依然強風で稜線に出ると少し恐怖に感じました。いったい風速何メートル?黒岳から1日目の宿泊予定地でもあった湯ノ沢峠を目指します。

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30分ほど進むと白谷丸!風を遮る木々がなく風に身体が持って行かれますが、素晴らしい景色に写真を撮らずにはいられませんでした。今回の行程で一番の景色!本当に素晴らしい展望!なぜか秀麗富嶽十二景ではありません。本当ならここで腰をおろしたいところですがあまりの寒さに停滞できず先に進みます。

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湯ノ沢峠避難小屋。布団もあり電気も付く整備された避難小屋です。
こちらをお借りし昼食をとりました。時刻はすでに12時50分。予定ではハマイバ丸を経由し、やまと天目温泉を目指す予定でしたが、本日もまた時間的に厳しく勇気ある撤退。焼山沢真木林道でやまと天目温泉を目指す事にしました。ここからは登山道の焼山沢真木林道で降りなければいけないのですが、夏期には車が通れる車道の焼山沢真木林道を誤って選択してしましました。ここまで慎重に進んできたのに最後にミスをしてしましました。ちゃんと地図を確認すれば間違えることはなかったのに避難小屋付近にあった看板に惑わされ判断を誤りました。IMG_1583
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こちらの道でしか見ることのできなかった大菩薩・小金沢連峰や綺麗な富士山を見れたので良しと納得します。IMG_1594
それはそれは果てしない遠回りの林道を3時間ほど降りやまと天目温泉に到着。ここの温泉は500円と良心的なお値段でした。おばちゃんも気さく。クタクタで冷え切った身体に非常に気持ちいい温泉でした。温泉からはバス(300円)で甲斐大和駅へ。お疲れ様でした。

今回のコースは危険なところも少なく確かに雪山デビューには良い山だったのかと思います。
しかし、今季は雪が豊富で想像以上の積雪、強風、まったくのトレースなしの長い距離のラッセル、僕にとっては非常に厳しいハイクでした。登山を始めて1番の辛さだったかも。しかし、その分達成感も1番。学んだことも多かったですし、雪山の魅力も非常に強く感じたハイクでした。あんな辛かったのにもう山に行きたいと思うから不思議。